2014.05.01

このブログを開いた方へ

道義です。

人間は有限な時間に生きています。(今、そう強く強く感じています)

ほっておくと「1年持たない」と突然言われて、考えました。
「充分素晴らしい人生を歩むことができた、神に感謝してもう年貢の納め時と思って観念しろ」と。
人の迷惑にならないようにでかい錘で体をがんじがらめにして駿河湾にでも潜ろうとかね。

僕は14才の時に「ジジイになるまで一つの事を、しかし思い切り大変なことを、最もヴァライエティーのある一生を!」と欲張った我儘な生き方を貫こうと決めやってきた。
67歳は十分にジジイだ。
世界的な名門オーケストラと丁々発止するというイメージはなかった。人間思わないことは起こらないしやっても多分意味がない。それよりも、どこでも、誰とであっても、喜怒哀楽が感じられるモーツアルト、強いエゴを表現するベートーベン、人間の音楽表現枠を逸脱するようなショスタコーヴィッチ、自我の巨城を打ち立てるマーラーや、孤高なブルックナー、素敵なハイドン、などなど等々ナドナド、それぞれの作曲家そのものに化身する一種の愛情表現を舞台上で楽員さんたち、ソリストたちと、重ねてきた。1982年から重ねたコンサートオペラは20作品を超え、舞台で演じ、飛び跳ね、飛び降り、飛び乗ってきた。

この行為には際限がない。

突然、限りがあると感じた場合、貴方ならどうしますか?

僕は、

今書き続けてきた父へのオマージュの舞台作品、仮名ですが、『正義』はまだ3分1の出来かけ。どうしても仕上げたい。それはこの国、この時代、音楽世界、家族、への僕なりの借りを返す行為でもありますから、借りは返さないと・・・・。事故で、天変地異での死を迎えるわけではないから、それくらいはやらないと。

それと、OEKの戦友たちともう少しだけやりたいことがある(30周年世界周遊演奏旅行)
難題山積だがだからこそやる気になった大阪フィルとは(アジア太平洋周遊演奏旅行)
昨日別れたばかりのような京都、新日・・・・ともね。

最新の医療を求めてやるに値すると決心したら、治療をやってみる。
どれだけかかるか・・・神のみぞ知る。
苦しむことはしない。喉が塞がったらあきらめる。

予定していた音楽会で会う予定だった皆さん、その時間のために一緒に準備した方たちに謝ります。しばらくの間ごめんなさい。

2014・5・1 TOKYO uehara



KAJIMOTOニュース|2014/04/30
【大切なお知らせ】指揮者 井上道義の病状について
http://www.kajimotomusic.com/jp/news/k=1853/