2015.04.11
大阪府 : フェスティバルホール
午後 3時開演

大阪フィル 第487回定期演奏会

大阪フィルハーモニー交響楽団
<共演>鼓童

石井眞木 : モノ・プリズム(日本太鼓群とオーケストラのための)
コープランド : バレエ組曲「ビリー・ザ・キッド」
グローフェ : 組曲「グランド・キャニオン」

【道義より】

モノプリズムはいまだに刺激的だ。こういうものは録音では全く楽しめないと思う。
心臓にこたえる音量、激しい男の世界(実は一人女がいた)の鼓童。
プログラムノートに少し仄めかしたが、このプログラムは、敗戦国日本のアメリカへのコンプレックス克服プログラムのようなもの。アメリカ文化を軽視することで心のバランスをとる=ヨーロッパ文化への賞賛と帰依=ドイツ系クラシック音楽への傾斜が強かった大フィル(大阪の街にアジアを感じる)のプログラムに、今少しラテン的気質の入ったものをやるべきと感じている僕の訳ありプロだ。アメリカ村っていうのが有る位だ。
ブルックナーの伝統は捨てないで正直な「大阪」を表現していかないとオーケストラの存在意味がない。
グローフェは明らかに2日目の演奏が上だった。このような状態はお客さんに対して明らかによくないが、今僕はベートーベンの時やチャイコフスキーの時のように楽員さんたちに責任を覆いかぶせる気はない。練習場の音響を早急に改善しなければならない。今10年前から進言している壁のカーテン設置による反響の軽減を早急にやる。1週間も待てない。あの練習場ではフェスティバルホールに来てやっと景色が見えることになる。本末転倒だ。指揮する前に俺にはこれをやる責任がある。

今回も録音ができた。素晴らしいではないか。弦楽器に大きな音が出始めた。いい傾向だ。
エキストラも意気軒昂に思える。頼もしい。
関電が原子力発電所問題で難しい時期だろうが大フィルは自家発電を始めた感じだ。俺の健康は
戻っている。 発声がまだ難しいが・・・。