モーツァルト : ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
ブルックナー : 交響曲第7番 ホ長調
僕は30年前からオーケストラの音色(と個性)は指揮者が作るのでもなくオケのメンバーが作るのでもなく、ホールそのものが作ると言い張っていたが、この兵庫県芸術文化センターでのブルックナーはその持論を裏付けた。
少ない練習で臨んだブルックナー7番だったが、以前の京響、新日、N響を越える演奏になった感触で(これはたぶん僕自身のいろんな経験の成果?せいか?も)ずっと続いたコンサートの最後に僕は朝早く目覚め少年のようにドキドキしながらゲネプロに臨み、本番は一杯のお客さんに天に昇ってもらった。20代のころからチェリビダケの強い影響があるこの曲もやっとその呪縛から逃れ得たと感じている。今回は弦楽器も十分に演奏力の集中があり、管楽器はどれぞれの持つ心の豊かさを具現していた。コンサートマスターのチェー君の情熱とテクニックなしには昨日のような演奏は出来ない。
終わって大フィルのOBとちょっと宴を持った。
家に帰ったらアヒルが老衰で(道義ではなく)フラフラであるという現実が待っていた。僕の代三回目に当たるアヒル飼育の歴史でも一番の長生きの「マヒル」君は今10歳位。食べられるために改造されてきた動物で寿命がはっきりしないがピーターと狼への何回かの大舞台出演とテレビ出演、毎日庭の外から愛でる子供たちからの声に囲まれ、ちょうどよいサイズの小さなプールでの遊泳等、こんなに幸福なアヒルの一生もなかっただろう。彼は若い頃つがいであった雌のヨナカに毎日サディステックに挑み、2年から3年間は毎日孕ませ、卵を産ませ(早朝カラスに食べられるので僕もずいぶん早起きして朝食に食べました)ヨナカ亡き後、今も皆を和ませてくれています。真昼の決闘?女の一生?そろそろ幕引きのようだ。
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