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井上道義 2006年11月のスケジュール

■ショスタコーヴィチ: オラトリオ「森の歌」

2006.11.5(日)15:00開演

石川県立音楽堂 コンサートホール

ショスタコーヴィチ: 祝典序曲
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18
ショスタコーヴィチ: オラトリオ「森の歌」

アリス=紗良・オット(Pf)
志田雄啓(Ten), 安藤常光(Bass), 合唱: [森の歌]特別合唱団, OEKエンジェルコーラス
管弦楽: 大阪センチュリー交響楽団,オーケストラ・アンサンブル金沢

S席8,000円 A席6,000円 B席4,000円 B席学生2,500円

石川県立音楽堂チケットボックス TEL: 076-232-8632


岩城宏之の青春時代の遺言か、素晴らしい結果となった。合唱団はロシア語と戦って渾身の歌唱。金沢は宝が埋もれているのか。18才のアリスは初めてとは思えない余裕ある音楽を聞かせてくれたしテノールも一線を越えた素晴らしさだった。 森の歌だというので植木の苗のおまけつきとは味なことをやりますね。

■芸術文化センター管弦楽団 第5回定期演奏会
 小曽根真が登場! 井上道義が考えるモーツァルト・・・。

2006.11.11(土)15:00開演

兵庫芸術文化センター 大ホール

W.A.モーツァルト:
  交響曲第40番
  ピアノ協奏曲第9番[ジュノム]
  交響曲第41番

小曽根真(Pf)

指定: A席4,000円 B席3,000円 C席2,000円 D席1,000円

芸術文化センターチケットオフィス:0798-68-0255


小曽根のジュノムはついに真のモーツアルトになった!神戸の宝だ。お父さんお母さんもが心底喜ぶのが無理もない。 オーケストラはあの素晴らしいホールに負けない合奏内容を早く会得して欲しい。どんなにたくさんエキストラが来ても中心に音楽を形つくるのはあの日のメンバーなのだから。総ての戦いは目前の音楽を相手に!

■ショスタコーヴィチ生誕100年記念 祝祭ガラ・コンサート

2006.11.16(木) 19:00開演

東京オペラシティコンサートホール

指揮:井上道義 独奏:ソル・ガベッタ(Vc) パトリチア・コパチンスカヤ(Vn)
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

曲目:ショスタコーヴィチ:祝典序曲/チェロ協奏曲第1番/ヴァイオリン協奏曲第1番

[お問い合わせ]カジモト・イープラス 0570-06-9960
e+でのお申込はこちら


好き嫌いというものは誰にでもある。
人参が嫌いだ、牡蠣が嫌いだ、デブが嫌いだ、バレエが嫌いだエトセトラ。
アレルギー症ならともかく、好き嫌いには根拠がないものが多い。
小さいときに母親が
「あら00ちゃんはXXXが好きなのねえ、△△は嫌いなのね、なるほどねえ・・・」
とか言っちゃったからに違いないのだ。

ショスタコの音楽があまりポピュラーでないのもその最右翼に入る。
社会主義リアリズムなどと言う、音楽には成し得ないレッテルを貼られたり、
若いころにひどい音のオーケストラ、または駄目指揮者での
演奏を聴いてしまったりしているだけの可能性が高い。
「暗い音楽だ」となんとなく仏壇の中にしまっておくような人も多い。
まてよ、考えてみればこの私の発言も間違っている。
「死は暗い」とは言い切れないし、仏壇だって実はキンキラに輝いているのもある。

音楽は人間と同じだけ二面性、多面性を表現していて、
モーツアルトの音楽が悲しさと喜びを抱き合わせに表現するのを、
今ではみんなが理解し始めている。
アマデウス生誕250周年の影にショスタコーヴィッチ生誕100年があるのは
とても自然かも。
ショスタコの音楽はその2面性をモーツアルトと違った視点から超新星のように
パワフルに白日の下にさらしている。

本当にショスタコーヴィッチの親族は何人も粛清にあって殺されたり
シベリア送りになっている。そんな中での彼の人生と作品なのだ。
彼はあの美しいペテルブルグを愛し、自分の家族を愛し、
自分の芸術能力の天才性を尊敬していたのだ。
芸術は娯楽と言えない事はないが、お遊びではないのだ。
ショスタコの芸術は人の暗い面をなぎ倒し、自分の時代なんてものを飛び越え、
明日への希望を疑いながらも信じようとする我々の音楽だ。
国境があるのは人が体の表面に肌を持つのと同じ。
好き嫌いも一皮向いて考え直してみるべきだ。

                          ------井上道義


金沢での菊池、アリス、今回のアルゼンチンのガベッタ、モルドヴァのコパチンスカヤと若い女性がすごい才能を縦横に何も恐れず発揮する。世界の大部分が平和な証拠であろう。 日本も近くに危険人物がいるから核兵器で武装するなどしてかえってさらに回りの国に恐れられるようになったりすることになりませんように。人間は簡単に誤解をするものだ。ショスタコーヴィッチもその対象になってきた音楽家だ。 東フィルはやはりショスタコで痺れるほどやってくれた。来年の4番楽しみだ。

11月26日より12月10日まで
ロシアショスタコーヴィッチ体験演奏旅行第3回。
汽車を乗り継ぎロシアの大地を体験しながら9番と15番などと、伊福部、メトネル、リストなど。
4公演。 ソレルチンスキー氏が同行。


■Voronezh young orchestra

2006.11.30(木)

Stary Oskol

指揮: 井上道義
演奏: Voronezh young orchestra

吉松隆: 朱鷺によせる哀歌
外山雄三: 管弦楽のためのラプソディ
ショスタコーヴィチ: 交響曲第9番