大阪フィル 第516回定期演奏会

2018.03.10
大阪府 : フェスティバルホール
午後 3時開演(午後 2時開場)

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バーバー : ピアノ協奏曲 Op.38 / アレクサンデル・ガジェヴ[Pf]
ショスタコーヴィチ : 交響曲第2番 ロ長調 Op.14「十月革命に捧げる」
ショスタコーヴィチ : 交響曲第3番 変ホ長調 Op.20 「メーデー」

大阪フィルハーモニー交響楽団
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭)

チケット: A席:6,000円(4,800円)B席:5,000円(4,000円)C席:4,000円(3,200円)学生席(3階席):1,000円(割引なし)BOX席:7,000円(6,000円)※(  )内の料金は大阪フィル・会員価格
演奏会お問い合わせ先: 大阪フィル・チケットセンター Tel:06-6656-4890

【道義より】

以前、2番と3番をやらないかと大フィルに打診された時には、いろんな理由で、
「もう大フィルなんか振りたくもねーぞ」、と思わざるを得ない現象があって、
多少投げやりに、ああそれは面白いね、11番12番の成功に味を占めたな、
でもそうは簡単に問屋が卸さないだろうに・・・難曲でっせ、と心で思い、そんな
柳の下のドジョウのような考え方ではこのジジイは真剣にやる気にはならなかった。
だから、いっそショスタコーヴィッチと,同じ穴の狢(ムジナ)のような世の中では
露西亜と対局な米国、と誤解されているサミエル バーバーのジャズ的な
イディオム満載のピアノコンチェルトと一緒にやるぐらいの「本当のマゾヒズム」
が大フィルにあるなら、「やっても良いぜ」と返事をしたのだった。
将来有望そうなピアニストを見つけ。その後・・・・すっかり忘れていた・・・・
が、いざ、日程が近くなり、未来が今になっってしまった。
定期の練習は3日以上は取らないという組合のキテイと戦い(11番12番の時は、
大騒ぎしながら何とか1日増した)時のような、エネルギーはジジイにはもうない。
自分で自分の首を絞めるような後ろ向きで意固地な組織はなるようになれ、と
ほうっておいた。
そんな未来が「今」になって、俺は「気が狂っている」と思ったが、時すでに遅し。
2月の日本フィルとのツアーで、椎間板ヘルニアになって左下半身の不愉快な痛みの中
頑張って勉強しなおしてかかった、このベルリンフィルでも苦しむだろうが、
並べて初めて説得力のある難曲プログラムは、いつの間にかNHKはラジオ録音する
と言ってくれるし、オクタヴィアレコードはCDにしたいと決め込んできた。
そんな老体に鞭打ち、追い打ちする逃げ場のない理不尽はまるで、炎の中に自ら入る
ブリュンヒルデ、又は川に引き込んで(堂島川?土佐堀川?)全員を自滅させる
ハーメルン笛吹になりそうな自分を、他人事の様にも感じていた。
・・・・・・・結果は23歳のロシア人とイタリア人のミックス、アレクサンドル 
ガジェヴ(彼もバーバーの超難曲は初めて...もちろん大フィルも初めて)の
右も左も判らず飛び込んでいくファイトある素直な若さに助けられた!!
当然初めてロシア語を歌う福島章恭が率いる個性豊かな集団「大フィル合唱団」
にも文字通り後押しされた。ロシア語の深い響きは、オケの音にも変化をもたらした。
そう!!考えてみれば20世紀の大天才ドミトリーショスタコーヴィチも、
この2曲の交響曲を書いたときは20歳、22歳。怖いものなしの又は怖いものだらけ
の政府のない時代の新世界に飛び込んでいった作品ではないか?
芸術はこのような開拓魂を無くしたならば、衰退する!!と僕は気が付き、多分、
大フィルのそのことに気が付いた真の音楽家たちは果敢に成功への努力をし、かなり
素晴らしい結果を残した。
今回、多分あまり期待もなくフェスティバルホールに足を運んだであろうお客さんたち
に、彼らの若い時代への記憶を呼び覚ました!!
良かったぜい!大フィル捨てたもんでなかった。
でも最近は楽員さんに女性ばかりが目に付くではないか!
若い男どもはどうしたというのだ!


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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

降福からの道 欲張り指揮者のエッセイ集
「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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ショスタコーヴィチ:交響曲 第7番 「レニングラード」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」

大阪フィルハーモニー交響楽団

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チャイコフスキー:交響曲第4番
ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲

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