京都大学交響楽団 第210回定期演奏会

2021.12.23
大阪府 : ザ・シンフォニーホール
午後 7時開演

J.ブラームス : 大学祝典序曲 ハ短調 Op.80
J.ハイドン : 交響曲第45番 嬰ヘ短調「告別」
J.ブラームス : 交響曲第2番 ニ長調 Op.73

京都大学交響楽団

チケット: ライブ配信:1500円 https://kyodaioke.zaiko.io/_item/344239

【道義より】

210回目の定期が出来た!と言われて初めて前2回の定期が潰れていたと理解した。
なんという事??なぜ学生は何が何でも続けなかった?授業ではないだろうに。
練習場所?規模を縮小してやればどこか見つけられただろうに。と感じた。
お客が来ないから?指揮者に払う謝礼が払えないから?ならば無しでやればよいし、
アマチュアなんだから!やりたいときにやれば!でもそれは京大生のプライドに反
する?命に代えても演奏をしたい、「目の前の人に」届けたいという気持ちと、
リスクがあってもその場で生まれ死ぬ音楽を聴きたいという気持ちが出会う
ところにこそ音楽の住み場所があるのでは!!
と俺は大言壮語!!??してきたが・・・。時代が違うのかな?
1945年の日比谷公会堂と比較しちゃってね。
なんかそんな発言自体、絵に描いた餅なのかもしれないと思い始めている。惨め。


確かに配信で聞く人は居る。今回は大学の方針で観客は関係者のみで50%となった。
数字が多かった大フィルの春の祭典などの時は(フェスティバルホールの
案内なども中に織り込んで作ったが)無料だったが19万人。
今回は1500円という有料配信で2公演で1500人。もったいない出来だった。


誤解してもらっては困る。数字を比較したいのではない。
コカコーラは世界で何億本と売れていて、そういう音楽は大いに売れる。
ヨヨーマがスタジアムで数万人の前でバッハの無伴奏を演奏し、大写しになった
映像と細心の増幅音響で感動する人は沢山いる。
しかし彼は世界文化賞授賞式の日、皆がマスクをし、近くで話し合う気持ちもない
白々しい分断された空気の中「なんなのこれ・・音楽やらなくては、やろうよ、、」
と口走り、記者さんたち相手にサラバンドを弾き始めた・・・・
そこに真の音楽が息づいていた。
あれこそ彼が彼をあそこまで有名にした自然な、音楽家としての姿と感じ、
俺は指もままならない指揮者の自分を恥じたことを今、思い出してもいる。

京都大学のオケとは6回目の顔合わせだが、それぞれ強い意義があった記憶がある。
原田幸一郎さんとのベルグ、吉原すみれとの石井眞木、マーラ5番、9番、と続き
井上自身の人生の節目に必ず登場してきたのが不思議だ。近衛秀麿や山カズとの関係
に次ぐ指揮者になったと言われたが、そりゃそうだ。その辺のクズ指揮者とは違う
と魔女を筆頭に京大生ならわかるはずだ。(全員ではないだろうが)
まあ観客は違いがわからないから。判っても何が違うか言えないだけかもしれないが。

大学祝典序曲はなかなかあそこまでPPが使えない演奏が「常識」だ。
ハイドンの告別は世界中(今までの井上も含めて)200年前の故事を下手になぞるだけ
の演出でお茶を濁していたが、今回特に京都コンサートホールバージョンは、これから
世界に普及していく方法と思われる。見られなかった方たちは配信をお楽しみあれ。
シンフォニーホールバージョンは、道義の誕生日でもあったので好き勝手やらせて
いただいたのと、クリスマス前夜でもあったので「全員サンタのプレゼントを貰い
楽しそうに演奏を止めていくというアイディアでした。着替えが超早替えで、猿之助
並みだったし肉襦袢は暑くて、後半のブラームスの世界に脳味噌をクールダウン
するのがウルトラⅩだった。とはいえ、今回選りすぐりのメンバーとのハイドン
中期の作品!どんどん皆が僕の道案内に面白がって発見を続けてくれたのが隠れ
ハイドンフリークとしては一番生き甲斐があった。そして演奏は現在形で舞台で
行われている、という忘れやすい事実を若い時に体感してもらったのは教育的
見地から・・・・今回最も中心的な作品だった。告別は別れではない。

ブラ2と呼ばれるこの渋くも若々しくフレッシュな交響曲は今回大フィルの福山代表
をして「聴けたことを神に感謝」と言わせた演奏だった。皆の粘り強い努力、
毎回会場が変わる練習環境とか、たしかにまだまだ力の足りないパート(ヴィオラ
とかホルンとか)のグループを、何とか纏めた首席奏者たち!そして数々の先輩の
助言等々、この大学の音楽の責任教官や、学部長、学長は少なくともコンサート本番
の日にはもっと激しく足を突っ込んで泥だらけになってくれなければ、宝の持ち腐れ。
そしてこの辺の学生の力を理科学系であろうが経済学系であろうが、大学の名を
世界発信をするのに利用すべきですよ!!団員達も演奏に入り込むだけでなく、
音楽の魅力と意味を同時代人たちに身を粉にして語りかけて行かねばならん!
以上

井上道義の早すぎる遺言です。


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