大阪フィル 第497回定期

2016.04.09
大阪府 : フェスティバルホール
午後 3時開演(午後 2時開場)

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ドビュッシー : 交響詩「海」
吉松 隆 : トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」Op.55/山本浩一郎[Tb]
プロコフィエフ : バレエ音楽「シンデレラ」 Op.87より

大阪フィルハーモニー交響楽団

【道義より】

かねてから提唱していた、大フィルは大阪の街を鏡として、町の姿を表すものだから、ブルックナーという
遺産を引き継ぎつつも、人懐っこい饒舌な言ってみれば欧州でいえばラテン系の音楽でこそ力を発揮してもらいたい!
というプログラム中心でのシーズン第一回目の定期演奏会でした。
フェスティバルホールという器の良さが明らかにもなった今日の3つの作品だが。
ラメール=海、でコンサートを開けるのは至難のチョイス。なぜなら、ラベルと違ってドビッシーは
オーケストラの響きが霞がかって聞こえるように書かれているから、日常のいろんな音に囲まれた世界から、
ホールの入って突然、着替える間もなく海際に立たされる趣の響きの中にお客さんを誘惑するのだから。
セイレーンも、人魚も、突然現れるなら、ただのコスプレのようにしか思われまい。
成功したかどうかは、実は演奏家側だけの問題ではなく、どんな席に、どんな気持ちで、音の訪れを待っていた
かに、かかっているのかもしれない。
よくある批評に「今晩の何響フィルは滑り出しこそなりが悪かったが、次第に響き始め・・・・」
というパターンは実は聴く側の耳の慣れによることが多いのだから。
木管楽器の練達には素晴らしい部分が多々あったし、トランペットも魅力的なものであった。

「オリオンマシーン」を彼の「朱鷺への哀歌」になぞって多少オリオン座ではなく、白鳥座のようにセッティングしての
コンチェルトは、ひとえにソリストの技とパーソナリティーに身を任すが、山本さんは2日目の方が興味深く計画された
自由の中でのカデンツアを思う存分吹いてくれたと思う。2日目のゲネプロにはそのことに集中した練習をして
いただいたのだが、オケのメンバーはなぜこんなことに時間を費やすのかという目を投げかけてきていた。
説明をすべてできないことでも、やらねばならないことはあるのが指揮者稼業だ。

シンデレラ=灰娘!は、物語の順番に沿ってプロログラムされた井上式の抜粋組曲?は市販されている
作曲者による組曲と違って音楽が何を表現してくれているか目の当たりにできるチョイスと自負している。
大フィルの弦楽器が最近スケールを大きくしてきた。しかし・・・・練習場との響きのギャップは僕だけでなく
みんなにとって辛い辛い!
所で、シンデレラのガラスの靴というのは俺は本当は見えない枠=男が、王子がいつの間にか持って
しまっている、「見えない縛り・・・自分の世界」という意味なのかしらん?「硬い履けない靴」でなく人からは
見えない、枠、そのもの?か?

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