ポーランド公演
Michiyoshi Inoue and Alexander Gavrylyuk

2019.06.06

午後 7時30分開演

ブラームス : ピアノ協奏曲 第1番
/ アレクサンダー・ガヴリリュク→ルーカス・ヴォンドラチェクLukáš Vondráček[Pf]
ベートーヴェン : 交響曲 第8番

ポーランド国立放送カトヴィツェ交響楽団

チケット: Tickets 25-60zł

【道義より】

終わった、感想ブログ今は書けない明日かな。

・・・・・・今明日です。
アレクサンダーガヴァリリュクは、彼がブラームス1番を弾くということで、
一回のコンサートでもポーランドまで行こうと作ったプログラムで、
前半に序曲とシンフォニー8番とかやるプログラムを作った...にも拘らず!!
彼は何と本番の2週間ほど前に、「忙しくって準備できないのでプロをラフマニノフ
のパガニーニの主題による~に変更したい」と言ってきたので、
「まったく賛成できない君のためにすべて作ったのに」と言って断り、
ピアニストが変わりました。
こういうのは彼の我儘、マネージャーのスケジュールコントロールの軽さか?
(軽くもあり我儘でもある、僕も流石に承服できない!)
プログラムはとても大事で、演奏が良ければ順番や、取り合わせは
どうでも良いというのは全く理解できない。
コンサートはバライティーショーやスモーガスボード(バイキング形式料理)じゃない。
記憶に残る演奏会というのは全体が大事ではないか。
とはいえ、数居る素晴らしいピアニストの中でも突出した彼と出来なかったのは残念。
人生そういうものだ。
と...は...言え、代わりに決まったルーカス、ヴォンドラツェク、初練習の印象はオケに
とっても僕にとっても良いものではなかった。
オケを聴いてない(素晴らしい新ホールは永田音響の豊田さんの音響設計。多少舞台の
なかでは聴き合いにくいが)指揮を見る余裕もない、愛想もない、なんか太り気味で
汗くさい!とか。一言でまとめると一人でピアノを弾いているな、というもの。
あまり弾いてないか初めて弾くコンチェルトだったのかもしれない。
若い時はこういう冒険に飛び込むことは避けられないからそれはそれでよいが・・・。
でも、道義大過去青年はコンサートの全責任があるから練習中、アアだコウだ言うべきこと
を言い、時間をかけまくり進んだ。
メンバーからも「何だかはっきりしない演奏だ、この前はツインマーマンとやったの
でねえ~~」とか俺にモニョモニョ言ってくるものもいたほど。
次の日ゲネプロの前に、僕もなんか彼の楽屋には入っていくのも違和感ある心の状態
だったが、頑張って(責任あるし)入っていき、話しかけた・・・・ら・・・
なんかやけに明るい奴と判明。
どうも初日は緊張で心のドアも閉まっていたらしい。英語で
「・・・・あのー井上さん、僕は日本に何度も行っています、函館には彼女も・・・」
「へえ~~函館か?ハルバルなんで?」と話も弾み、その後のゲネプロでは、前の日に
伝えた幾つかの、小さな、でも大事な問題を素直に解決してきていたので、
二度びっくり。

本番は後半のトリを任せたプロにふさわしく充分にスケールが大きく、シューマン風な
内省的な演奏部分も、(彼がどうしてもそこまでやりたいのだな、と文句は言わず道義
も黙っていた)そして、体の大きさにふさわしく立派に若いブラームスの気宇壮大さも
充分に表現した素晴らしいものとなった。
良かったホッとした。

前半は
エグモントと8番をアンサンブル金沢並みに小さな編成にして演奏。
練習ではかなりガタガタと問題が噴出したが、(どうも東欧のオケはロシアのオケと
同じでベートーベンをあまりやらないので、その良さを理解できてないことが多い)
ポーランド的に多少暗めなコンサートマスターも、井上の我儘ボウイングを受け入れて、
木管も分奏に嫌な顔もせず積極的に取り組み、演奏は引き締まりドラマティックでもあり、
8番はウイットに富んだベートーベンの得意な顔を感じさせるものになったと思う。
そうそう、本番のギリギリ前に土砂降り雨!と雷!
僕はこれがとても多い・・・何故なんだ!!
しかし時代はすっかり変わったとの感。始めて行ったポーランドは50年前、
斉藤先生率いる桐朋学園弦楽オーケストラで僕はチェンバロとメンバー世話係と
(ついでに指揮も)だったがその時は共産国で暗く貧しかった!
今この炭鉱町カドヴィッツは新しい町としてスポーツと文化で脱工業化を図っているようだ。
しかし新しい建築物はどこか、ブラジリア的な巨大なものばかり。
旧市街は...・・歩いてみたが‥なんという事もなく...ヨーロッパで未来都市を築く
難しさを強く感じたのだった。しかし平地が広がり土地はふんだんにあるなあ!
わが日本は山ばかりで住める場所は猫の額‥‥でもそこが個性になっているのだな。
神の采配?


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「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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