井上道義指揮 躍動の第九

2019.12.15
大阪府 : ザ・シンフォニーホール
午後 2時開演(午後 1時開場)

アンダーソン : クリスマス・フェスティバル
ベートーヴェン : 交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付」

高橋絵理[Sop],小川明子[Alt],西村悟[Ten],デニス・ビシュニャ[Br]
大阪フィルハーモニー合唱団

大阪フィルハーモニー交響楽団

チケット: A 7,000円 B 5,000円 C 3,000円
演奏会お問い合わせ先: ABCチケットインフォメーション TEL: 06-6453-6000

【道義より】

マーラー3番のコメントをあまりに細かく書いたためブログ書きエネルギーがなくなり
今遅ればせながら大フィルとの第九について冬至の日に書いています。
シンフォニーホールでの久しぶりの大フィルとの第九。福島昭泰さん合唱指揮の
合唱団と大フィル楽員との、明日73のジジイになる道義の『躍動の第九』は違和感?
なかったか?10年ほど前までは朝日放送が毎年、炎の、躍動の、21世紀の、第九de
クリスマス、と名付けて関西のオーケストラを競わせていた名残かな??
確かに不死身ガンジーミチヨシいまだ躍動はしている部分あるが・・・・。

1982年全国に先駆けそれこそ躍動していた大阪に出来た日本初のクラシック専用
シンフォニーホール(オルガン付き)は今も、素晴らしい状態が保たれ、経済の荒波を超えて
クラシックの現場を愛する人々で埋め尽くされている。昔のように第九だけでなく、
多くの先鋭的なプログラムにも人々は訪れている。タワーとともに隣り合わせだった
朝日放送が住処を代え、プラザホテルが潰れ、長い間雑然とした汚い印象しかなかった
福島駅からの道も、ずいぶんとおしゃれになり始めている!!
40年ほど前になる82年には大阪城ホールで1万人の第九が山本直純さんと始まり
(なんて悪趣味な!!と思っていた)、大阪フィルは外山雄三さんが朝比奈隆さんと共に、
世界一の第九指揮公演数を塗り替えていた。
86年に僕は確信犯的にNHK教育テレビと共同で第九火薬に点火をすべく.
第九を歌おう、という番組を企画、それは案の定、再々放送まで行われダイクは
爆発的に広がり日本全国第九をやらない県庁所在地はなくなった。

                  脱線①
2007年かららフォルジュルネ音楽祭を金沢で挙行し、3日間で10万人が参集するという
祭りを行った私の経験から書かせていただくが、この種のイベントは、クラシック音楽を
日常の糧として捉える人々を生む「種」にはなるかもしれないが、ならないかもしれない
程度の結果であるようだ。
マッシブな人々との本当の人間の人生を変えるような感激を秘める芸術の関係は、
非常に希薄なようだ。とはいえ、平和を希求する内容のベートーベンの第九は、国と国の
それではなくとも、家族間の友人間の、職場でのそれと置き換えて、それを思う人々に
間違えなく伝わり、高い調子の詩の内容とともに素晴らしい作品。

                本線
大きなキャパシティーのフェスティバルホールでの第九では1万人ではないが
朝比奈さんと同じく、井上は管楽器の人数を演奏箇所によっては増やし、
弦楽器の人数を多くして行ったが、尾高忠明さんはフェスでどのようにしているのだろう?
今回、シンフォニーホールでは100人のコーラスで2管編成でした。結果に自信はあるが、
お客さん一人一人にどう思われたか聞きたいものだ。
もっとも・・・・・
ベートーベンも初演の際は非常に大きな編成のアマチュアで二倍の管楽器と弦楽器は
50人程度だった(普通のサイズ)と伝えられ、ルートヴィッヒ自身もこの作品は、
アマチュアの人々の中に生きる作品と知っていたと思われる。
まるで『必ず私の時代が来る』と言ったマーラーのように第九は後世の人々が演奏を通して
少しずつ作品の持つ高い理想を作り上げたと思えるのだ。
コンサートマスターは今、旬で正確さと力強さと繊細さと統率力で日本一の
チェーウンスクさん。健康を祈る。


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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

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「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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