川崎市&東京交響楽団 「Live from MUZA マッチングギフトコンサート」Vol.3

2020.07.03
ニコニコ東京交響楽団
午後 7時開演

フルート&ハープ(デュオ)
グノー:小交響曲(木管アンサンブル)
モーツァルト:交響曲 第36番 ハ長調 K. 425「リンツ」

※無観客コンサートLIVE配信※
ニコニコ東京交響楽団7/3(金)⇒https://live2.nicovideo.jp/watch/lv326200777

この公演の詳細について⇒https://tokyosymphony.jp/pc/news/news_4341.html
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【道義より】

瓢箪から駒で、今回リンツシンフォニーを理想的な編成で、丁度良い練習時間と、
演奏にルティーン感が薄れた時期、やる気!なメンバーとともに、ジジイの経験も
良い方に作用し、素晴らしいワールドクラス、歴史に残る?!モーツアルトに
なった。水谷ありがとう、荒木頑張った良い音、良いフレーズ感!昔千葉の子供
だったチェロの川井も、すっかり成長。歓び寿ぎの結果は美味だった。
私も、もちろんの今までの、すべての60年間の経験、、、、、、、
桐朋での反面教師➡サルツブルグモーツアルテウムオーケストラ➡
ナポリRAI(今は消滅)➡ボルツァーノ室内オケ➡ロンドンモーツアルトプレイヤーズ
カルロゼッキ(ウィーン室内)や、カールベームの教え、
ルーマニアでの初モーツアルトオペラ、新日フィルとの試行錯誤、何よりOEK
との、毎日が新しかった室内オケの日々がすべて昨日の結果に結びついた。
ニコニコ動画は理想の姿ではないが(ごめん)異常な昨今の現実の中、このような
文字通り「結果」を産める運命になった事に、神に感謝。DVDにしてコロナ遺産として
天上の庭に埋めておきたい。
アンコールの「上を向いて歩こう」も昔、スキヤキと呼ばれ世界中で日本人を表す作品
であった頃の思い出が多い。88888888の後の九ちゃんだ!
デュオも名演!映像的にも綺麗だった。

以下は、本番1ヵ月前に書いた歪んだ?エネルギーのもとになった出来事の文。消さずにおく


本当は25番と29番をやるはずでした。何故かリンツ!36番。道義はこれ1曲!
オーケストラの事情なんだが、こういう曲の決め方で俺は生きてこなかった。
しかし、ヤル気になったにはいくつか理由がある。第一に相当難曲だということ。
この曲がモーツアルトの中で一番好きだという人は居ないと思われる。
しかし例えば、小澤征爾氏はモーツアルトというとこの曲ばかりやっていた。
理由は彼は自分から言うわけが無いが、師匠の斉藤秀雄にイヤという程叩き
込まれたものだからだ。別の作品はモーツアルトは触れない・・振れないから。
しかし困ったことに僕の恩師でもある斉藤秀雄は亡くなるまでモーツアルトの
音楽はまったく遠い外国語であって自家薬籠のものに出来なかった。
だから征爾さんはとんでもない方向に間違った勉強をさせられ続けて、相当苦しみ、
そこからなんとか抜けたい一心で、この曲と生涯格闘し続けた。
アマデウスの交響曲の中でも一番古典的且つオーストリー的、且つ抽象的作品で、
この曲に花鳥風月な感性だけの演奏では「感動感激」「泣かされ」「楽しむ」
ところまでの演奏を求めるのは無理。
ハ長調の立派さに隠された建物の入り口の鍵穴を見つけるが
難しい。まるでKafkaの城、みたいな作品だ。
そんな存在であることは意外と誰も言及しないもは、コロナvirusごときに恐れ
おののき、死を忌み、遠ざけ、同調圧力自粛警察ごっこをするがっかりな
輩が跋扈するのっぺらぼうな浮世だ。仕方ない。
今回そこに逆にマゾヒスト的にチャレンジしちゃいます。
どうせホールで時が過ぎるのを共に感じてくれる愛情ある目も無い。
仮面のようにマスクした顔を見ないですむし、人との間隔を携帯電話ほど遠くに
追いやる感覚に慣れてしまい、唾も手の汗もぬくもりをも怖がる2020年の
イカレタ時代の人類には、拍手の音を聴かせてもらわなくっても構わない。
知古ちゃんに怒られなくてもぼんやりと下手に長生きしないで死ぬ前に
この曲をミューザで出来れば満足。


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「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

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「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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