読響 第122回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2020.10.10
横浜みなとみらいホール
午後 2時開演

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」/ 仲道郁代[Pf]
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88

読売日本交響楽団

【道義より】

半年以上コロナで「ガイジン指揮者」が来ない。オーケストラも来られない、
まるで戦争中のような状態。でも、今日のような演奏ならば、
舶来オーケストラは来なくっても良いんではないか?
なかなか味があった!音もだが、それぞれの演奏姿にも!
中央ヨーロッパの多少陰のある、、哀愁漂う響きとフレーズの機微にも。

同じく、俺はガイジン指揮者ではない(とは言えないかな・・・)けれど、
カラヤン、チェリビダッケとまでは行かないことは認めるが、いま、クーベリック、
ヴァント、勿論ラットルやペトレンコと比べてもらって構わない。
後数年は、そんな認識で生きるつもりだ。

ドヴォルザーク(DVORAK)の8番は、読響と40年ほど前、
コンサートマスターがマトウシェックであったとき都民芸術フェスティバルで
演奏していて、1楽章の終わりで誰かさんがロングヘヤーを靡かせジャンプ
していた・・・と赤面もの記憶を開陳してくれた方が居た。
お互い今日の方が40倍良かったと、思おうではないか!!

仲道郁代さんも渾身のベートーベン。
楽屋に来てくれた服部百音と同じぐらいの体格!!を大切に自分で育て上げ、
出来得る限りの、真剣で正直なアプローチで、エンペラーと名が付く
ベートーベンの無骨な反骨魂と共に、対極的な詩情を、道義と今日いらした
みんなとみらいの秋、、、に刻印してくれた。我々の過去を美しく塗り替えて。  
           音楽は消え去る。   が、
今日は、土砂降りにもかかわらず、隣り合わせの席がかなり埋まって、
ホールの響きも平常な感触。やっている方はそのことにこそ感激した。
誰かの心の中に消えない刻印がきっと残せたと感じたので、コンサートの
終わりに僕は、皆さんが止められているからと、代わって
「お客様にブラヴォー、読響にブラヴォー」と言ってみたが、
何故か声が・・・
声が・・・
駄目なアヒルみたいにカスレていてガッカリしたあ。

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