NHK交響楽団 12⽉公演 NHKホール

2020.12.06
NHKホール
午後 3時開演(午後 2時開場)

ショスタコーヴィチ : 交響曲 第1番 ヘ短調 作品10
伊福部 昭 : ピアノと管弦楽のための「リトミカ・オスティナータ」/松田華音[Pf]
伊福部 昭 : 日本狂詩曲

NHK交響楽団

※約2時間の公演となります(休憩20分あり)。
※感染症予防対策のため、座席間隔を十分に取った上で、座席を販売いたします(1600席程度/全席指定)。
※今後の状況によっては、出演者や曲目等が変更になる場合や、公演が中止となる場合があります。あらかじめご了承ください。
※開演直前は入口の混雑が予想されます。混雑を避けるため早めのご来場にご協力をお願いいたします。
※ご来場の際には以下の感染症予防対策についてのご案内を必ずお読みください。

【感染症予防対策についてのお客様へのお願い】
https://www.nhkso.or.jp/news/20200710_2.html#1

【出演者・スタッフの感染症予防対策について】
https://www.nhkso.or.jp/news/20200710_2.html#2

チケット: 一般: S席7,800円 A席5,800円 B席3,600円 ユースチケット: S席3,900円 A席2,900円 B席1,800円
演奏会お問い合わせ先: N響ガイド TEL:03-5793-8161

【道義より】

NHK交響楽団は、他の楽団よりも観客集客が、積み重ねた歴史、数多くの
名演の記憶、何より、NHKという宣伝力の強いバックボーンのおかげで、
長い間、他を圧倒してきた。
しかし、私はこの2回の定期演奏会を指揮しての印象を書かせていただく。
今誰もが感じる「時代の過渡期」の今、(これは世界的なこと)N響も、
同じく大いなるメンバーの若返り時期に当たっている。
今、ここでオケ自体もまた母体たるNHKもしっかりとした哲学と、
理想をもって舵取りをしていただきたいと強く感じた日々でしたから。
今回の2回の本拠地での観客動員が「皆さまのNHK」という組織に守られている
強靭さによって、かえって守り優先の姿勢として感じざるを得なかったのです。
客席は今、100%埋めても良いはず。
それ以前に歴史的にクラシックコンサートで「集団が風邪をもらった、インフル
エンザがそこからはやった」というエビデンスは世界的に「ない」のです。
これは日本だけの問題ではなく世界的な事実。いわんや罹患数の非常に少ない
我が国、ではまったくもってゼロ!
ライブハウス、という狭く天井も低く、空気も淀むアヤシゲな環境
(あえてそう書く)と「ライブ」という三文字だけが同じな、大きな空間での
音楽会、展覧会、演劇、などは水と油ほど別なのです。
そうでなければ昔よく言われたアングラというアンチ社会的運動なんぞ出て来ない
敵対的と言ってもいいものです。
勿論!社会にとってはソナタ形式の第一主題と第二主題のように両方必要だけど。
その辺をメディアがごっちゃにして報道するもんだから!まったく。

欧米生まれの素晴らしいいわゆる「芸術」、中でもオペラや交響曲などの音楽芸術
は、享受するには個人の力ではどうにもならない程、ハード面でもソフト面でも
莫大な時間と労力の投資が要求され、支えるには多くの産業を巻き込む広がりが
必要だ。
国立オペラと同様NHKのような公的機関が、人知を尽くして担ってきたことは
素晴らしい事なのだ。そこにやっかみやねたみを安直に突き刺すなら革命でも
起こしてからにするが善い。
コンサートホールやオペラハウス、大劇場での感動は人間が豊かに生きたい
という欲望の頂点にある「目に見えないかたち」と言える。
勿論新聞社、地方公共団体、大企業等がもサポートするに値する。
命と引き換えにしても良い、誰もが生きた証拠として残したいモノとさえ言える。
それは子供が自然と描く「原初的な創造、アート」と同じとは言い切れなくて、
特に都市に生きる人間にとっての不可欠な「人間関係を温かく包む有要有急な城」
と言えないか?

話は飛ぶ。
僕の子供時代には、だれもが砂場で遊び、泥んこになって怒られ、運動場で骨を
折ってでも暴れまくり、知らない犬と遊ぼうとして噛みつかれ、
海で溺れる危険があろうが荒海でサーフィンを試み、秋の運動会では近所に
うるさがれるナンテコトを考えもしないで«赤勝て白勝て》と大声を上げた。
人々は、なぜか農業の歴史から伝わっていた夏の盆踊りで、俄か仕立てのやぐら
の上で町の迷手が生の声で歌い、オイモワカキモが浴衣らしきものに身を包み、
俄か仕立ての「ご当地踊り?」を恥ずかしいナンテコト考えもしないで、友達でも
ない近所の子たちと踊ったもんだ。


64年のオリンピックあたりから、特に大都市には人が集まりすぎ「整理整頓」され
空き地がなくなり、社会に隙間がなくなってきた。
今現に、コロナであろうとなかろうと、スポーツは、見るものになり、歌や踊りも
参加するものでなくなってないか?NHK交響楽団の音楽はFMや、ETVでも大いに経験
出来るという強靭さがある。しかしやはり現場で祭りの音楽をやろうとした場合、
満員のお客さんの熱気が欲しいと今回ほど強く感じた経験はなかった。
芸術はやるものだが、受けてくれる人がいてこそだ。こそこそ自慰行為をするような
欲望の行くところではないのだ。芸術は爆発だが、月の裏側での爆発ではなく、
させるべきは人の中なのだ。


ここまではだれが書こうとかける文だろうが、ここからが今日の本題です。

伊福部昭さんの21歳の時の作品は多くのファンによってすでに熱狂的に愛され
てきた。
しかし、いわゆるアカデミックな城というレッテルがあったN響、または
その定期公演では存命中はもとより,長く軽んじられ、いや、蔑まれていたかも
しれない。
バッハから流れ出たドイツ系の尽きない音楽の本流、またはフランス系のいわゆる
前衛論理と合理的頭脳が前に出る作品から見ると、まるでそれはアングラの世界の
ように汚れ、泥だらけで、安っぽい原色で塗られているようだろう。
しかし、悠久の昔からまた戦前戦後も日本という国は農業が国を支えていた・・
それに語弊があるならば、都会以外で生まれた多くの人々の血と汗によって
育まれていた。
だからこそ戦争中疎開したした人々は、多くの迫害を現地の人々から受けて
いたのも現実だ。
【イイ目にあっている都会の輩が都合が悪くなって逃げてきた】として。
伊福部昭は音更からアイヌの人たち(迫害される側)との祭りや日常での交流の
中で、踊り歌う経験をした。
しかし、彼はのちに音楽大学長となり、蝶ネクタイが毎日の日々となった。
彼の若書き?の作品は洗練を必然とする都会生活と、また映画音楽を作る際の独裁的な
監督との人間関係の中から生まれた「伊福部先生」の作品として自らが整理整頓して
行った。今回のコンチェルト、リトミカオスティナートは3版目だ。

バイオリンも、作曲も自ら学んだ(パソコンもなく、レコードはSPしかなかった
時代に!)田舎育ちの天才少年伊福部昭は、8歳上の天才ショスタコーヴィチが
1番を「よく出来た卒業作品」の枠を超え、圧倒的な構築性と、過去の歴史を餌に
したような諧謔性を学ぶことができたペテルブルグ音楽院の環境など、
日本のどこにもなかった。
年を経て、当然だ。若気の間違い等を実際の演奏を経験しながら直したくなるのは。
自然なことだ。

しかし・・・・それって本当に「正しいか?」という疑問が長年、井上の中に
在った。
何故かというと生前伊福部さんは僕に「都会的すぎる、もっと泥臭く、ゆったりと、
のんびりと!!」と再三言っていたからだ。
蝶ネクタイされて紳士然とした人のそういうセリフ・・・に違和感が常にあった。

そこで今回は悩みに悩んであのような演奏に行きついた。書き込んだその場の
手作業とその時の衝動が感じられる音像にふさわしいテンポを原典にある楽器を
探してもらっての演奏。叩くの都会姿に化身した熊や、鹿や入れ墨をした
生き物だった。

演奏を終わってあれで良いと確信をもっている。拍手を続けてくださった本当に
音楽を必要として愛するお客様達、、、客席に飛び込みたい衝動にかられた。

しかし、今回来られなかったお客さんたちはどうしたのか?
お年寄りの多い?N響の定期会員さんは本気で人々と接触することを恐れ、
コンサートに来ないのか、またはショスタコの1番はどうせつまらなくて、
伊福部の音響には興味がないのか?聴いたこともない若く手が小さく細身でも
超才能のある新人の弾く、なんだか変なカタカナのピアノコンチェルトには
好奇心などなくなってしまっているのか・・・・。
またはNHK側がバラバラにしてしまった席は、新たにウェブ上からしかでしか
取れない、「コロナ対策」の非常に残念な結果なのか・・・・
誰もコロナにならない結果こそが今では勲章となるのか・・・・・答えは?

あれだけ新旧の楽員さんたちが自分たちの新しい世界へ一致団結している姿を
一人でも多くの方々に、肌で感じてほしかった。握手しても手は洗えばいいのです。

長々と失礼。

追記
バイオリンの田中さんが定年退職され、舞台裏で皆に囲まれた静かなお祝いがあった。
まだまだ行ける!人生はまだ多くの喜びが隠されている。



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チャイコフスキー:交響曲第4番
ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲

壮大なる調べ。咆哮する鬼才・井上道義の魂のチャイコフスキー!井上道義(指揮) 大阪フィルハーモニー交響楽団


チャイコフスキー:交響曲第4番 ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲
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録音:2014年10月23、24日 大阪・フェスティバルホールにてライヴ収録

Schedule

1冊でわかるポケット教養シリーズ 指揮者の世界
第2章は井上道義の特別インタビュー「僕が指揮者になって、今も続けている理由」

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ショスタコーヴィチ:ロシアとキルギスの主題による序曲

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