OEK NHK音楽祭2021

mozartは一筋縄ではいかない。今回A-durのシンフォニーと
コンチェルトを並べられたのは、いわゆるこのご時世に
「希望を」
と言うNHK音楽祭の意図に合わせて、若い時代の明るいプログラム
を意図しての事。奥井しおさんという１７歳のピアニストの
NHKTVデビューと、松木さやというoekの一番若くメンバーで、
今もっとも愛されている、音色の美しいフルートソロとの小品も
ありましたから。

フィガロの結婚序曲。近年このオペラを内側から何回も経験した
後なので、いわゆる「楽しくて屈託がない結婚イメージ曲」と
僕も若い頃は思っていたあの曲を
「俺に結婚させろ！アルマビーバ伯爵野郎！」序曲
として演奏しました。一筋縄ではないと言うのもそんなこと。
また２９番A-durのシンフォニーもOEKとの長いコラボレションから
生み出され、いわゆる普通のシンフォニーオーケストラ、が人数を
減らしてやるのとは一人一人のメンバーの自己の役割の捉え方が
違うなとも感じながらの本番でした。
コンマス＝アビゲイルヤングの存在は大きい。
しかし、人は歳をとり、組織も時には若返ることが必要だ。
今回は上手く行った方だろうが、これから一筋縄でいかない時代
に入るアンカナOEKとも感じた。
一番の問題は、未だに人々が互いの接触を恐れていること。
それとオーケストラは生きる町の中心として音楽堂を
ささえてくれる人たちで一杯にならない事には何も出来ない。
人は生き甲斐を感じたい生き物だ。そこに楽な答えはない。
リスクがない安全安心な毎日なんて意味のないお題目だ。

多少早く死んでも・・・MOZARTに続こう!
近江町市場に行こう。