大阪フィル≪平日午後の名曲セレクション≫マチネ・シンフォニーVol.29

2023.04.06
大阪府 : ザ・シンフォニーホール
午後 2時開演

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ハイドン:交響曲第103番 変ホ長調「太鼓連打」Hob I:103
ショスタコーヴィチ : ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op.77/崔文洙[vn]
  バレエ組曲「黄金時代」op.22a

13:50~指揮者によるプレトーク有

大阪フィルハーモニー交響楽団

【道義より】

ずいぶん前に始めたこのマチネーシリーズなんと29回目。
僕はそのうち19回(一回は中咽頭がんでキャンセルしていた)
今まで満席になったためしがない。世の中の先を言って平日の2時からの
コンサートを始めたが、初めのころは「大阪の人は忙しいのだ、とか大阪の
お客さんは若いから平日は仕事で無理なんだ」と自分たちを慰めていた。
でもこう全国的によるよりも午後のコンサートに人気が出ている昨今、なぜ
不人気なのかまったく理由がわからない。切符も高くない、プログラムも多彩で
よく考えられている。先日もう何の関係もない大フィルなのに、事務の人たちと
侃々諤々会議をした。何も原因が見つけられなかった。大フィルは
ブルックナー朝比奈神話で歴史を終えたのか?
ジジイの発案で役に立たないがお客さんにアンケートを書いてもらい原因を探る
ことにした。すでに沢山の文が届いているから何らかな突破口が見つかるとはずだ。

今日のハイライトはチェムンスさんのショスタコーヴィッチソロと俺との
ロシア音楽だろう。
彼は今最も脂ののった年齢。
コンサートマスターのコンチェルト=世の中でよく書かれるような、突出すること
はないがオケとの会話がある演奏!とか一種の欺瞞に満ちた生煮えな甘い賛辞で
終わらない、深く心に刺さる演奏だった。
バイオリンの巧いだけのソリストがこの曲をサーカスや超絶技巧スポーツのよう
に楽器を鳴らしまくり、聞こえないほどささやき声ですすり泣く演奏をしても
観客はそれのみでブラボーを叫ぶ快感に身をゆだねて家路につくような馬鹿な結果を
見聞きすることが多い中、彼はドミトリーの困惑と不満と解放への希求と
熱い血潮の表現を広い大地の匂いと共に(ヘビ文!)40分「語って」くれた。
だからホールには意味もない重苦しい空気なんぞは流れることがなく、気高い音楽の
時間があった。極上の賛美をするに値する。

井上も前座?ハイドンの103番をハイドンが晩年、自分の若いころの自作を回顧
しているような作品と捉えなおして勇気をもって多少シューベルトへの予感空想して
夢遊病的な過去の夢を描こうと試みた。
練習と環境が違い,楽員諸氏には迷惑な部分もあったが、彼らも以前と違って、
組合的楽師集団ではない積極性と柔軟性を見せてくれ幸福な時間だった。


何より毎日がこのように「黄金の」日々であれば人生は良いものだ。
時代は真逆だから!



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