室井摩耶子センセイ大往生!

2026.07.11

【道義より】

先生が亡くなったと今聞いた。お葬式などは終わっていた。

90歳位まで毎日ステーキを食べていた人で、その頃も一人で家から歩いて買い物に
行っていたようだ。
僕が10年間続けた神奈川県立音楽堂での「上り坂コンサート」の企画の第6回、2006年に、
「上り坂は一生続くのだ!85歳になっても下り坂はまだ始まってない人がいる!という
例として、20歳ぐらいの新人ばかりのシリーズに入っていただきモーツアルトの27番を
弾いていただいたのが、20年前で、はっきり言って色々難しい場面もあったのに、
その後も弾くのをやめずに演奏を続けておられた。

人にどう思われようと構わず、非常に明るく振るい、現実の自分と戦いながらも「時」
を愉しんでいた。
思い立って電話すると必ず大きな声で「みちよしくん、体調ダイジョーブ?」とかこっちが
言われる始末。パソコンも90になって初めて使いこなしていたし、折れやすい男から見ての
「女は凄い」思う存在の最右翼だった。

最後は僕が子供のころ入れてもらっていた「ゴジラの東宝撮影所」近くを散歩しながら、
自分の少年時代を回想するという企画での道すがら、偶然、先生のお宅の前を通ったので、
アポなしで呼び鈴を押したのが最後だった。
ケアテイカーが出てきて「先生は今お風呂入浴中なので、出られないとおしゃいます」
と言われた。
人生何が有るか判らない、チャンスに後ろ髪はない!と構わず入り込んで会っておくべき?
さすがにちょっと僕でも無理だった。

摩耶子先生にピアノを習ったのは6歳から10歳までで、一番大事なころには先生は
ドイツへ留学、僕はピアニストになるチャンスを失いました。ああよかった!
一生椅子に座っているのはご免なんで。僕はバレエと演劇へ、興味を向けることに
なりました。それでも時折、大事なことがあった時には先生に報告はしていました。
そうそう、引退しますという報告はしていなかった。

ハハハ。先生には負けるのは日を見るより明らかだからね。


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