笑ってくれ!

2026.07.27

【道義より】

笑ってくれ!

音楽と離れて幾年月、毎日意外と楽しくやっているジジイ道義、先日笑える「事故」に
遭遇した。
40年前から少しずつ改造を趣味にしている西伊豆の別荘で、日中暑い中裏庭改造作業を
シャベルカーでやり終わり、夕方寝落ちして目が覚めたのが夜12時。年甲斐もなく、目が
らんらんと冴えていたので、凪いでいる月夜の海で泳ぎたくなり電動スクーターで海岸まで、
降りて行く途中のT字路で左折した途端!左の草むらから角の立派な若鹿がライトめがけて
曝突撃!! 「馬鹿ヤロー!」と怒鳴ったものの79歳、一瞬でスクーターごと倒されていた。
敵は無傷、ささっと逃げて行った。
こっちは肘を擦りむき、右薬指を打ち、加えて脛や、内腿を打撲してすぐに立てない惨状。
でも、心ではこの稀有な遭遇に笑っていた。ヒイヒイ言いながら立ち上がり、奴が残した
ザラっとしたぬくもりのある皮膚感覚を愛でながら、泳ぎはあきらめ荘に戻った。
最近の家の外の活動で少し快方に向かっていた坐骨神経痛の腰と軟骨がすり減った右膝は、
一瞬で元の木阿弥・・・。

肘や指やの傷は洗浄してバンドエイドで済む程度、骨は何ともなかった運の強さ、
60年前のバスケやスキーやバレエで鍛えた受け身?は今まで何度となく命を守って
くれている。俺はそこいらの青白いモヤシラシック人間ではないのだーー!
とはいえ東京に戻りすでに一週間経った今、逆にあちこちが傷みだし、現実をしかと
「突き付け」られている。
鹿と衝突なんて願っても起こらない確率だし、熊じゃないから、と自分のアホな行動を
許していて、思えば、20歳でチェリビダケの名演に遭遇したり、考えもしなかった
スカラ座でのコンクール一等賞とか、フェスティヴァルホールの楽屋のドア前を通った
狐のコートを着た女との結婚、自分の振る下手くそだった時代の京響のヴィオラセク
ションに感動してしまいショスタコにハマっていったり、運命のグーゼンには笑える。

この鹿たち、伊豆には異常に増えてよく見かけるし、庭の若葉や若木の皮を齧りやがる。
田舎から人が劇的に減った昨今、熊もそうだが撃つ人も減った結果だ。
でも敵は善悪の気とかなくぶつかってくる馬鹿だ、俺にもピストル携行許してくれよ。
迎撃ミサイルでなくてもいいから。


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