グランシップ中学生のための音楽会

2018.01.24
静岡:グランシップ中ホール・大地
午後 2時開演

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ビゼー:組曲「子供の遊び」
プロコフィエフ:バレエ音楽「シンデレラ」セレクション
1.序奏 2.父親 3.仙女のお婆さん 4.踊りのレッスン 5.舞踏会に着いたシンデレラ―グランドワルツ
6.来客へのごちそう 7.王子とシンデレラのデュエット 8.ワルツ~コーダー真夜中 
9.王子の第1ギャロップ 10.愛をこめて

大阪フィルハーモニー交響楽団

チケット: 全席指定/1,500円 ≪完売≫
演奏会お問い合わせ先: グランシップチケットセンター Tel:054-289-9000

【道義より】

昨日一昨日とグランシップの小さい方のホールで(900席)ビゼーと
プロコフィエフという、なかなか中学生向け演奏会ではやらないプログラム
でもって、休憩なしで1時間の音楽会を4回行った。
中学生というのは人の人生で一番重要な時期で、初めて自分の意志で、未来を
考える事が出来る年齢であり、異性をはっきり意識する年齢でもあり、自己と他者、
すなわち自然や宇宙、又は家族の在り方を客観的に考えられる年齢でもあるのだから。。

そんな時に、自発的にクラシックのコンサートに行くことは、家族や友人の勧め
でもない限り、普通は無いのが日本(いや欧米も同じ)であるのが21世紀であろう。
余りに多くの、あまりに種々雑多な「オンガク」がテレビ、スマートフォンなどを
通って耳を襲い続けるのだから。
それは、まるでスーパーマーケットに置いてある、ジュースの数ほど溢れている。
一滴でも水が大事な砂漠や、腐った水しか近くにないスラム街に住んでいるわけ
でもないから批判しても仕方あるまい。それは、豊かさの影の一面だから。

だからこそこのような生の公演は、人間の持つ可能性を深く豊かに表現している
重層な歴史を背後にもって輝いている素晴しい作品を、責任をもって彼らに
ぶつけられるチャンスと思う。

実は1日目の朝は試練だった。
一番前の席に感受性が激しくコントローロールが困難な精神的に問題のある子が
数人座らされていた。彼らはどうしても音楽には敏感に反応し明らかに、「普通の子」
にはショックなくらい大声を出す。そのことには、皆充分理解があるし、受け止める
心の余裕はあった。...しかし、1時間という間、それが絶え間なく続くと、
その数人の声はほかの800人のやはり感受性の鋭い同年齢の子らの、
音楽を楽しみ、考え、咀嚼したい心は辛くなる。
また演奏する側も、非常に難易度の高い作品に対して必要な集中力にどうしても影響
が出る・・・出てしまった。
井上自身も話をすることにブレーキがかかった。
多分、教育委員会としてもワザとこういう場で普通に現実を両者に、共に生きて欲しい
と思っての今回の決定方法だろうが、残念ながら、成功した方法とは思えなかった。
クラシック音楽には耳を傾ける、耳を研ぎ澄ます、そこで発している音楽を、
音だけでなく、聴いている自分たちの経験と結びつけ想像の翼を広げるという
空間と、静寂が必要なのだ。
あの朝、ホールの中に居た99%の子らは、その朝、雪の中朝早く起床してバスで
来て、音楽ではない、別の問題に対して考えさせられた時間となったのではない
だろうか。
残念ながらクラシック音楽は、脆弱なものでもあって、良い響きと、静けさ、という
基本環境が存在しなければ何十人のプロの楽員達の長い間の切磋琢磨の結果を
発揮することは出来ない。

ですから出来れば次からは、演奏者からあまり近くないところでの着席、又は短時間
だけの参加、未就学児用の席からの参加などを考えてあげていただきたい。

しかし、その回以外は、皆非常に集中して喉の具合も良いとは言えない僕の、
作品や舞台で行われているアンサンブルの話、作曲家の話などを取り交ぜての話を
聞いてくれて、井上も60年ほど前の自分に思いをはせた4回のコンサートだった。

そうそう、朝でもありまた昼ご飯を食べてすぐの眠くなりやすい時間のコンサート
でもあったのでチューバの川浪氏にラジオ体操の音楽を吹いてもらい、
全員体操してから音楽を始めた。フフフそれでも寝ている子は散見されたけどね!
60年前の俺?????




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