OEK 第363回定期公演フィルハーモニー・シリーズ

2015.03.20
石川県 : 石川県立音楽堂 コンサートホール
午後 7時開演

井上道義(指揮)
仲道郁代(ピアノ)

ペルト:フラトレス
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58
シューベルト:交響曲 第9番 ハ長調 D944「グレイト」

【道義より】

金沢でのシューベルト9番
「グレイト」 と名付けられてしまっているこの曲はそれ故か、大きな弦編成、時には管楽器をダブらせての文字通りグレイトな横綱音楽で聴かされることばかりだ(った)が今回、今まで未完成を含む2,4,5,6、番などの経験の後OEKの編成(+バイオリン2人+トロンボーン+コントラバス1本)でやることにしたが、一度は死にかけた糞ジジイ、大きな発見をする事が出来た。OEKはベートーベンなどもやはりこのサイズでやっているがこれで良いのだと強く確信したし、(もちろん巨大ホールではだめ)音の出し方、ニュアンスの作り方、すべてグレイトという名に影響された、力でねじ伏せるような演奏をしてきた世界中!大間違いだった!と確信するにいたった。
勿論フルトベングラーもカラヤンもチェリビダッケもマゼールもティーレマンも巨大ホール時代の要請に答えたのだろうが、作曲家の持つ個性の多くのものを見失っていたと思える。それは青年であったシューベルトの詩情、ベートーベンとは正反対でエゴイズムの圧力のない素直な歌だ。
仲間と音楽をやっていられる時間が止まってほしくないという現世での幸福感と彼岸(キリスト教的には天国)にある満たされた歓びを結び付けるための音楽表現だ。
ブルックナーがこの後に続くと思われるが、自作のこの曲を聴くこと亡くなくなったシューベルトは想像の中にベートーベンの第九などから想像できた未来の交響曲を聴いたのだろうか?しかし彼の今まで作ってきたクラシカルな、すなわちハイドンのスタイルを捨てたはずがない。人は過去なしに未来を作る事はできない。人が良く夢を語ると表現するが、寝ていて見る「夢」はすべて過去の断片の寄せ集めであることを考えてもわかることだ。
仲道さんが一皮二皮剥けた4番を具現した。僕らはチッコリーニの神がかった4番を経験しているが、それと相対するに足る弱音のニュアンスあるバランスに支えられた詩情...オルフェウスの話のような...音楽だった。前半に用意したアビゲイルヤングのソロによるぺルトは素晴らしい導入の役目をしてくれた。僕は彼女の陰に隠れる事が出来た!ふふふ。グレイト!!?

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