NHK交響楽団 12月公演 サントリーホール

3月にやるはずだった4番がやっと実現。昨日は放送録画があったが、
今日はそれこそリスクを顧みないで全員僕の目指した「病的な、コンプ
レックスに満ちた男が才能を賭けて自身の音楽を白日の下に書き置きした音楽」
をやってくれた。もう4番は振らない。
練習の時ファゴットの水谷さんが、まず僕の大袈裟な説明を咀嚼の上
自分の表現として音にしてくれ、それに皆が頷き、方向が定まった。
考えてみたらカーテンコールで僕と一緒に彼に出て貰うべきだったが，俺も
疲れていたのか若者へのエールに終始。このところ若い演奏家との係わりが多
かったからか・・・・ヘタレジジイの若さへの隠れ嫉妬か？

しかし、なんと言っても世の中もＮ響も過渡期。
市松模様での席販売（普段家で共に居る家族でさえ）とか､握手をしない
とか(手を洗えば良い）ハグすると文句言う人が居るとか(これはラテン系の
人たちでさえもで、あたかも世界中全体主義！）何が怖いって人間だ。
早くヴィールス相手の戦いは負け戦であって、（いつまでも死なないで）
勝とうという人類が地球上で一番上だと思って居るらしい間違った
人間至上思想が駆逐されることを望む。

シンデレラは僕にはプロコフィエフの最大傑作と思える。勿論
ロメオとジュリエットもだが交響曲より音楽に無理がない。
俺自身踊っていた14才に戻ってガラスの靴や､紛れ込んだ三つの
オレンジへの恋、のメルヘンが音になっている音楽を愉しんで
いただけたと思う。

情熱、歴史、クオリティー、フレッシュネスを持つ今のＮ響に、靴を片方
置いて来られて嬉しかった。そんな道義の2020年これにて千秋楽。
放送は3月7日と14日予定だそうだ。