大阪フィル≪平日午後の名曲セレクション≫マチネ・シンフォニーVol.23

2021.01.14
大阪府 : ザ・シンフォニーホール
午後 2時開演

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メシアン : ほほえみ
メシアン : 忘れられた捧げもの
マーラー : 交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」

◆こちらの公演は6月10日に予定していた公演の振替公演です。
「6月10日」と印字されたチケットをお持ちの方は、そのままご使用いただけます。

大阪フィルハーモニー交響楽団

チケット: A席:5,100円 B席:3,100円 ※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
演奏会お問い合わせ先: 大阪フィル・チケットセンター TEL:06-6656-4890

【道義より】

欲張りな指揮者・・・とは北陸朝日放送の特別番組でのタイトルだが、
今回の大阪フィルのマーラー1番(4楽章だけで20分)全体で一時間
の若い指揮者向きな体力の要る作品にメシアンのキリスト教的な短い
作品を並べたのは(本番プレトークでも話したように)理由がある。
しかし、ジジイには過酷。その上,京都でのひねった「忘れさせない
御正月」演奏会の後だからもう真面目な話ゲネプロの途中では頭がフラ
ついた。・・・強制的なマスク(俺はとても出来ないので最低限のマウス
シールドなのだがそれでも)のせいかもしれないが・・・メシアンは1曲
にしておけばよかったと思った。「忘れさせない」とか「欲張り」なだけで
なく頼まれるとノーと言えない(尾高にどうせなら二曲やってと頼まれた)
からかも。    死ぬところだったゼ 忠!まあ死んでも良いけど。
メシアンが初めて人に認められた曲と晩年の曲はまるで弧を描いたように、
二曲とも同じような祈りと恩寵に満ちた音色と不可解な軋轢と苦難を
挟んで平和と慈愛の癒しに収斂する。
それは,西欧文化の中心、キリスト教とアカデミックな数学と、旋法(=法則)
と、明確な理論に寄った(酔った?)音楽の輝かしい歴史。
それに対して,辺境にうまれ、ユダヤ人社会に育ち、身に多くのコンプレックス
を抱え続け,しかし自己を神にさえ例えるような「巨人」という名の作品
を皮切りに交響曲にありとあらゆる衝動をつぎ込み壮大な情念世界を打ち建てた
マーラーの原点。
1晩で聴くのは興味深いと思ったのだ。
それはまるで「人類の進歩と調和」=大阪万博の描こうとした未来に竿を差し、
今も残光を瞬かせている、岡本太郎の
「太陽の塔」のようだった。
演奏の大フィルは、コントラバスからピッコロまでマスクを振り払って?
息も絶え絶えで頑張った。
こういう演奏会は皆もっとなんとしても来た方がよいのだ。


人と人が世界に子孫を増やしてきた行為は文字通り精神的にも肉体的にも
濃厚接触からでしか得られなかったはずだ。
皆、もう人類多すぎるから・・・・とそういうのやめるんか?
長生きと引き換えになにを手に入れたいのか?
芸術は爆発だ・・・・・・人生は爆発だ!
メシアンの神への恍惚感も、マーラーの充実の大音響も、
エクスタシーそのものではないか。

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