OEK 入善公演

入善という不思議な名の町に来たが、何となく
寿命というモノに考えが傾く。
先日,高岡に自宅美術館を持つ、伊勢食品の会長
伊勢彦信さんの生涯をかけて集めた絵画を見せて
いただいたときから頭をもたげている・・・。
彼は９２歳だが健康そのもの、階段は上りも下りも
手すりにもつかまらないし、自宅近辺とは言え、
自分でスズキの車をを全く不安なく運転し、バックで
車庫入れもすいすいのスｰダラ節。
２０年ほど前始めてお呼ばれしたときは、なんかこの
おっさん人間関係すべて計算ずくなんではないか、
格好つけようとして無理している感じが嫌みだな、
と感じたがごめんなさい。ちがった。失礼！
今は、野心ではないなんと言ったら良いか、人が結局の所
何を求めているのか隠さないときに見える答えを持って
いる人だ・・・！と思う。
彼の場合、自然とか、景色とか、手に入らないモノでは
なく人間が創作したモノの中で自分に語りかけるモノを
自分の横に置いておきたいのだと思われる。普通なこと。
でも、なかなか出来ないことだが。
それと何か人びとをアッと言わせたいとも言う。
僕も毎日そのようなことばかり画策しているかも知れない。
今晩このコンサートの休憩中に、ハイドンが作曲した５６歳
の人、手を上げてくださいませんか？と舞台から質問したら
一人も居なかった。
ショック！！よく見たら皆それより年上風・・・。

プロコフィエフが１番のバイオリンコンチェルトや,１番の
シンフォニーを作曲した１９歳ぐらいの人居ませんか？と質問
したらやっぱりゼロだった。またもやショック！
１６歳だと言う女の子がいたけれど。･･･嘘ではないです！
若者よ！観るのも聴くのもスマートフォーンを通してだけなのか？

ホールは響きも良いが,舞台上から全員の顔が選別出来るサイズ。
外観は何処かイタリアの石造りの僧院のイミテーション風な建物
だが、コンクリート製なので日本の湿気に負けて,何処か黒ずみ
つつあった。ケルヒャーの圧力ホースで掃除したくなった・・・
が、中身は善く、観客席もすわり心地の良いものだった。
沢山の有名実力派海外演奏家等の写真も飾ってあった。日本は広い。

身近に素晴らしいモノを置きたい,観たい、聴きたい。
そんな気持ちをお金持ちの人も、持たない人も大事にしているのね。　　　
失礼・・・そう言う意味ではないです。僕の文もまだまだ入善でない。