N響 第1968回定期公演 Aプログラム

2022.11.12
NHKホール
午後 6時開演(午後 5時開場)

伊福部 昭 : シンフォニア・タプカーラ
ショスタコーヴィチ : 交響曲 第10番 ホ短調 Op.93

NHK交響楽団

チケット: 一般:S席8,900円 A席7,400円 B席5,800円 C席4,700円 D席3,700円 E席2,000円 ユースチケット(U25):S席4,000円 A席3,500円 B席2,800円 C席2,100円 D席1,500円 E席1,000円
演奏会お問い合わせ先: N響ガイド TEL:03-5793-8161

【道義より】

このプログラムは・・・・
孤独と云うモノに負けなかった二人の天才の作品。
勿論その二人の才能には大きな違いがある。時代も、環境も。

(本番1時間前の投稿)
今日演奏される10番シンフォニーには女性と言う男の希望にも、あきらめにも
なる女性と言う存在のイメージがホルンで示され、自己という何物にも代えら
れない存在がレミドシ音型で表現され、その時の彼を取り巻いていた
環境と政治的状況が凍える様な音型と共に背後に纏わりつく。
しかし、世の中でよく言われるようにそれはただただ冷たいだけではない。
雪解けも春も朝も描かれている。今日N響と道義は50年前のカラヤンベルリン
フィルとの演奏を超えられるかも。

シンフォニアタプカーラは交響曲ではないな!!「シンフォニア」だ。
初演をインディアナポリスでやったりして、あの時代アメリカへの鬱屈した憧れが
強かったことをも思い出させる。人々の分断がまだなかった頃の祭りと平和の音楽!
はしゃごう。


終わった!!!
伊福部のタプカーラ。ハシャイダというより・・・エネルギー一杯のいい演奏に
なったと思う。
伊福部さんの曲がN響の定期って・・・・変な偏見は時代が変えてくれるのか???
ううむ・・・・・どうも違うな。
マーラーもモーツアルトもバッハでさえも生きている間は、「隣の旦那」みたいな
扱いをされたわけだから、避けられない現実なのだろう。。天才の宿命か。
作曲家だけでなく芸術家の妻や子供は当然、神格化なんかしないのは当たり前だ。
普通に人間扱いしてるだけだ。
それってその人にとって幸いなのか不幸なのか。死んだとたん王様扱い
この曲の2楽章の平和の描写は実に素晴らしく、古典のお伽話のようだ。
伊福部さんのお宅に伺った時の何ともゆったりした時間が思い出される。

ショスタコの10番は練習も充分あったので、楽員さん一人一人が音と時を噛み
しめていることがホールに横溢して伝わった。
有名指揮者もがよくやる、表面的ただただ暗く凍え冷たい演奏方向を尊び、
人生を斜めから見たいタコファンには多少方向転換してもらうことが出来る
演奏だったし、豪華絢爛リッチなオーケストラサウンドで脱帽させようとする
演奏とも一線を画したものになってくれた。

重層的且つ、謎を謎としてうっちゃらない、わかり易い演奏が打ち建てられていた。
感謝。お客さんも聴きとおすのは体力と知性とセンスが要る。有難う!!

いつか俺のメモリアルなんかに使われる演奏だったと思う。    ははは


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「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

Schedule

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「僕の人生、音楽だけではないが、正面から指揮をやってきたらこれほどの発見があったことに驚いている!」

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