新地の旧ヤクザ、警察より賞状の図

2025.07.27

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【道義より】

冗談です。
関西のクリティッククラブより去年のコンサートすべてへの賞という「特別賞」を頂いた
時のスナップです。
昭和生まれの大阪に対して偏見のある井上道義はワザと「大阪風」への間違ったイメージで
キザな夏服で「琥珀の間」という偶然ですが白けた部屋での受賞式に臨みました。
嬉しいのですが素直でない授賞の言葉を延々と話し、関西のクラブの方々(どうも西ノ宮と
京都からの参加は無かったようだ)はお疲れになったと思えます。
今回、(東京でのミュージックペンクラブ賞音楽賞受賞の時にも似た話をさせていただい
たのですが)賞を渡す側と貰う側は、どんな世界的なものであっても、お互いに恩恵が
あると思われます。
「あの人が受けたあの賞」と「あの賞を受けたあの人」と見るべきで、実はノーベル賞や
アカデミー賞でもそうやって価値を高めるわけですから。
また、今年出なかった芥川賞のように、毎年芥川流之介(わざと)も出るわけないのです。
現在世界は100億総自撮り主役時代、世界中監視カメラ、車載カメラ、超高性能衛星
写真、漢すから、なり手がすっかり減った警察官ならぬ自称順法正義漢による密告社会に
なっています。
コンサートの批評家には、他ならぬ僕自身、理不尽な取り締まりをされた時の交通警察官
のように毛嫌いしたことも有りました。
でも今、音楽専門雑誌のみならず、週刊誌、月刊誌、果ては新聞も猛烈に読者を失って
いっているため、批評家と称する職業は全く成り立たなくなっています。
でも!やっぱり警官は必要ではないか!
やっぱり批評家も必要ではないか!
自称ではない本物のコンセプトをはっきりと持った、専門知識と広く世界の歴史、
ひいては人間の機微の表現が出来、説得力のある文章が書ける人が表現出来るプラット
フォームが。
パソコンやスマホはどうしても「こちら側の興味」に対してには果てしないメリットが
あるが、全く興味のない、又は避けて通りたい情報さえ偶然に発見させる媒体としての
【新聞】にはどうしてももう一度息を吹き返してもらいたい、そんな話をしてしまった。
「明日は新聞を読みたい」時届く新聞、家に居ないときは自動的に配達されない新聞
配達システム、ポストに入れるため小さくたたんでも皺にならないプリーツプリーズ
みたいな新聞とか考えないかなあ誰か!

こんな話、しょうがないのでしょうが、戯言か子供じみたジジイの愚痴か?
批評というものは最近の星の数でレストランの価値を決める方法と同じで良いとは
思わないし、憶の値が付いた絵画ばかりが芸術とは全く言えない。
今回も郷古廉、水谷君達のG,フォーレの5重奏を今回奨励賞としたりすることは
黄昏の井上さんへの賞よりも批評家側の卓見とセンスが賞賛されるべきだと思うのだ。

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ショスタコーヴィチ交響曲全集 at 日比谷公会堂
「今はショスタコーヴィチは僕自身だ! 」と語る井上道義2007年に成し遂げた「ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会at日比谷公会堂」。 日本人指揮者唯一の偉業となる一大プロジェクトをぜひお聴き下さい。

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