結婚55周年記念指揮

2025.09.01

【道義より】

竹中統一さんと禮子さん夫妻の結婚55周年記念の親族合唱の指揮をしました。
そろそろ別居も35周年記念な妻の珠世(黒田)の従姉の禮子さんは、
非常に人付き合いが広く細かいところに気がつくパワフルな女性だ。
統一さんは、山登りの趣味が半端でない一人っ子の実に懐の深い人です。
日本の社会は男性優位だし、父系の天皇家が今、色々問題であると言われている昨今
ですが、実は女性による母系社会的構造が明らかな現代日本を垣間見せる一日でした。
ホテルオークラの平安の間で、600人の招待客を前に竹中家+黒田家の
老若男女による大家族集団60人がエーデルワイス(原語で)と、翼をください、
を歌うのです。
一人一人は「もう2度とこのメンバーでは歌えないな」と言う年にもなり「声がもう
出ないわー」と言うお着物の人々と、「この集まりなんなん?おトウさんやお婆ちゃん
何故楽しそうなの?この歌ナニ~知らんー?」という表情のこどもたちも含め色んな世代。
10年がかりの病で喉も壊れ引退し、仙人になった道義は当日の合唱練習時間をしっかり
要求してから、本番に臨みました。


そこで歌うのは、今までは自分達家族の結婚式の時集まっては、合唱で新婚の幸を
竹中禮子さんの指揮で祝ってきた顔見知り達だけれど、今回は自分のための祝いだから
指揮をするわけにはいかないので、俺もよろこんで・・無理矢理ねじ伏せられたのだ。
今回もピアノ伴奏を弾いた珠世(井上)との47年前の結婚式では、僕は歌った。
テノール歌手顔負けの声が出た31才の道義は「カリンカ」の変え歌を作りソロだった。
「これでおしー~まい~クロダタマ~~ヨ~、いーのうーえーたまよとナ~~ル~~ゾ~~
 ~カカリンカカヤ・香蚊や書かヤ」
とマイクなしで歌ったのだ。
珠世は、にもかかわらずその後、世の音楽家同様、黒田も井上も両方使っていて問題がない。
しかしさすがに齢を重ね、普通でとてもしっかり者だった珠ちゃんも〈普通じゃなくて、
物忘れがひどかったオレは子供の頃からずっと人の名前が覚えられず、暗譜も弱く、
財布や鍵をどこかに置き忘れたことは20回以上、交番に行ったこと5回以上〉
物忘れがひどくなり、今回は1週間前にピアノを弾いてもらうと繰り返しや移調、強弱
等の質問を何度も繰り返してくる状態。
「そうだ!」と僕は歌う皆を想像し、同じような老眼、脳の衰えた無声合唱団の為に、
偽の大作曲家!前ストロー井上道義さんは楽譜も手作りし直し、糟糠の妻
(わざと最低な表現)と練習を重ねた(大げさ)。
なのに、なんと本番5秒前に寄ってきて小声で「ねえ、どっちの曲が先だったっけ」
とオッソロシイささやき。
でも本番はさすが完璧な出来。逆に俺はマイクのスイッチングの不手際で心中怒り狂い、
PPで歌ってね弾いてねと要求していたところをスルーしノータリン指揮をしてしまって
自責の念。練習では弱かった男声陣は本番には声が出ていた。ちゃんと男性だった。



70年代のロジャースのミュージカル映画サウンドオブミュージックで多くの
従妹兄弟達が青春の原体験として持っていた「エーデルワイス」の歌詞には
「白い爽やかな小さな花びらはわたしに見つけられて歓んでいる」
となんとも楽天的で素敵な歌詞(大天才オスカーハマースタイン)が付けられているし、
赤い鳥の「翼をください」も同じ時代の頃からさまざまな編曲を経てお祝いの席での
愛唱歌となったが、歌詞後半の言葉
「今、富や名誉ではなく自由を下さい 子供の時夢見たのと同じように 
 鳥のように羽ばたきたい」
では贅を尽くし切った、ホテルオークラ渾身の豪華な飲食物で歓待された昨日の招待客
の中の何人もの長者の内面の歌となった。


数年前、超有名絵画と陶器、ガラス器のコレクターとして飛ぶニワトリを落とす!?
勢いだったもう90才を越えていた高岡の伊勢信彦さんに耳元で「井上さん、
私はこれから何を目標に生きて行ったらいいんでしょう・・・・」とささやかれ、
驚天動地な経験だったのを思い出す。


毎日、今日を見つめて生きよう。明日のためでなく。
出来るだけのことをやれば良いのだ。愛、とは 赦し、の別称だと思うこの頃だ。

人類のDNAでの寿命は38才と書かれている文を最近見ました。
旧約聖書には120才と書かれていましたが・・・・
どちらが正しいのだ?



【道義より】

竹中統一さんと禮子さん夫妻の結婚55周年記念の親族合唱の指揮をしました。
そろそろ別居も35周年記念な妻の珠世(黒田)の従姉の禮子さんは、
非常に人付き合いが広く細かいところに気がつくパワフルな女性だ。
統一さんは、山登りの趣味が半端でない一人っ子の実に懐の深い人です。
日本の社会は男性優位だし、父系の天皇家が今、色々問題であると言われている昨今
ですが、実は女性による母系社会的構造が明らかな現代日本を垣間見せる一日でした。
ホテルオークラの平安の間で、600人の招待客を前に竹中家+黒田家の
老若男女による大家族集団60人がエーデルワイス(原語で)と、翼をください、
を歌うのです。
一人一人は「もう2度とこのメンバーでは歌えないな」と言う年にもなり「声がもう
出ないわー」と言うお着物の人々と、「この集まりなんなん?おトウさんやお婆ちゃん
何故楽しそうなの?この歌ナニ~知らんー?」という表情のこどもたちも含め色んな世代。
10年がかりの病で喉も壊れ引退し、仙人になった道義は当日の合唱練習時間をしっかり
要求してから、本番に臨みました。


そこで歌うのは、今までは自分達家族の結婚式の時集まっては、合唱で新婚の幸を
竹中禮子さんの指揮で祝ってきた顔見知り達だけれど、今回は自分のための祝いだから
指揮をするわけにはいかないので、俺もよろこんで・・無理矢理ねじ伏せられたのだ。
今回もピアノ伴奏を弾いた珠世(井上)との47年前の結婚式では、僕は歌った。
テノール歌手顔負けの声が出た31才の道義は「カリンカ」の変え歌を作りソロだった。
「これでおしー~まい~クロダタマ~~ヨ~、いーのうーえーたまよとナ~~ル~~ゾ~~
 ~カカリンカカヤ・香蚊や書かヤ」
とマイクなしで歌ったのだ。
珠世は、にもかかわらずその後、世の音楽家同様、黒田も井上も両方使っていて問題がない。
しかしさすがに齢を重ね、普通でとてもしっかり者だった珠ちゃんも〈普通じゃなくて、
物忘れがひどかったオレは子供の頃からずっと人の名前が覚えられず、暗譜も弱く、
財布や鍵をどこかに置き忘れたことは20回以上、交番に行ったこと5回以上〉
物忘れがひどくなり、今回は1週間前にピアノを弾いてもらうと繰り返しや移調、強弱
等の質問を何度も繰り返してくる状態。
「そうだ!」と僕は歌う皆を想像し、同じような老眼、脳の衰えた無声合唱団の為に、
偽の大作曲家!前ストロー井上道義さんは楽譜も手作りし直し、糟糠の妻
(わざと最低な表現)と練習を重ねた(大げさ)。
なのに、なんと本番5秒前に寄ってきて小声で「ねえ、どっちの曲が先だったっけ」
とオッソロシイささやき。
でも本番はさすが完璧な出来。逆に俺はマイクのスイッチングの不手際で心中怒り狂い、
PPで歌ってね弾いてねと要求していたところをスルーしノータリン指揮をしてしまって
自責の念。練習では弱かった男声陣は本番には声が出ていた。ちゃんと男性だった。



70年代のロジャースのミュージカル映画サウンドオブミュージックで多くの
従妹兄弟達が青春の原体験として持っていた「エーデルワイス」の歌詞には
「白い爽やかな小さな花びらはわたしに見つけられて歓んでいる」
となんとも楽天的で素敵な歌詞(大天才オスカーハマースタイン)が付けられているし、
赤い鳥の「翼をください」も同じ時代の頃からさまざまな編曲を経てお祝いの席での
愛唱歌となったが、歌詞後半の言葉
「今、富や名誉ではなく自由を下さい 子供の時夢見たのと同じように 
 鳥のように羽ばたきたい」
では贅を尽くし切った、ホテルオークラ渾身の豪華な飲食物で歓待された昨日の招待客
の中の何人もの長者の内面の歌となった。


数年前、超有名絵画と陶器、ガラス器のコレクターとして飛ぶニワトリを落とす!?
勢いだったもう90才を越えていた高岡の伊勢信彦さんに耳元で「井上さん、
私はこれから何を目標に生きて行ったらいいんでしょう・・・・」とささやかれ、
驚天動地な経験だったのを思い出す。


毎日、今日を見つめて生きよう。明日のためでなく。
出来るだけのことをやれば良いのだ。愛、とは 赦し、の別称だと思うこの頃だ。

人類のDNAでの寿命は38才と書かれている文を最近見ました。
旧約聖書には120才と書かれていましたが・・・・
どちらが正しいのだ?




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