皆さま!(こんな呼びかけ文は常日頃は書かないが今だけ書く)やっと出来ました!
すべては瓢箪から駒!!書き始めた2010年代の、世の中はこうなって無くて、
コロナもガザもウクライナも、僕の健康感、寿命感もまったく違っていた。
そしてこんな映像を残せるテクノロジーもなかった。
実際俺も死にかけて内容を一から書き直しさえした。
なんと言ってもこうしてこの映像を残せたのは佐藤航という愛に満ちた男がいて、
そいつと俺が、くそ暑かった今年の夏に、自宅で普通のパソコンで手探りでシコシコと
粘りに粘り、編集をした結果だ。プロではないのだ。(作曲もだとか言うな、ハハハ)
映像の音もエヌエチケーではないのだ。
(昨夜森山開次演出の2024年秋の素晴らしい歌手達とのラ・ボエームがBSで再放送
されていた・・・有難い!)
でも隠さずに言おう。昨今の音響機器の発展は廉価性を生み出し、今まで「専門」の人や
高価な専門編集機器が必要だったこのような映像作品を、このクオリティー迄仕上げる
ことが 「俺たちだけ」 で出来るのだ。正直、恐ろしい世の中だ。
編集でやった事→
たくさんの4kカメラで撮影、音はサントリーホールでのものを中心に墨田でのもの
も混ぜた。コンサートホールでのオペラだから歌の言葉が、普段はプラスに働く余韻で
オーケストラの音と混ざり、使い物にならない程だった。その録音音源を一度AIで
声だけ分離させ、もう一度合体、多くの部分での相互バランス、時には作曲者と指揮者が
気に入らない歌い方の部分さえ音響スぺクトル画像として切り込み、細かく削り・増やし、
理想に近づけた。
また、画像も照明の照度、火炎土器の揺らめき、Suntoryでは当然出来ないP席部分への
映像照射も含め、CIAもKGBもが驚くほどの裏技さえ絞り出し、納得のいけるものにしたのだ。
昔、わが師、トーサイが「日本は資源がないからその分働くんだ」と呻いていたのが頭に
よぎったが、ちょっと違うな。誰もが信じなかった(妻も信じなかった)この作品を
新日フィルが「初演する」と言ってくれて、定期公演で思う形で初演が出来て、今、
まだ生きている間にこのような形で残せることを、ガタガタ老仙人になったミッキーは
誇りに思う。
関係者諸氏に感謝だ。
会ったら何でもするから!・・・なるべく会わないようにしよう。
どうか色々感じて考えてもらいたい。
井上道義2025・11・10