池袋ゲイゲキ新しくはみだす幸福な門出

2026.05.11

【道義より】

水野修孝という92歳の作曲家の40年前の作品、「交響的変容」を経験しに西伊豆から
頑張って池袋東京芸術劇場に行ってきた。
12時に始まり、4時40分に終わった(休憩が2回45+15分と2回の転換休憩が含
まれる)読響が素晴らしかった。全員参加の代名詞だ。
火付け役の山田和樹が非常に伸びていて、特に速い変拍子のラテン的な「第三部」は、
林英哲さんと武藤厚志さん(シースルーシャツで決まっていた)が冴え渡り、これから
3人、元気なうちに世界に持ち出して、この40年前英哲さん発見のリズムの世界で世を
踊ろ火せて欲しい。(自動車や伝統音楽やアニメや二刀流だけでなく)シモンボリバル
もマッサオな力がある。

今回は常に音楽を前進させようという指揮者に呼応した読響には、余裕さえ感じられ精緻
なパワーで(長年続いてきた読響とホール主催の結果だ、俺も嬉しい)一部、二部の、
冗長な、(材料はメシアンや、バルトーク、矢代秋雄、三善晃で和樹風に言えば冷凍庫
から取り出した)音楽学出身風三番煎じに飽き始めていた俺の顔の筋肉もニッコリ、
横向きに緩んだ。( 和樹は秋山和慶さん並みに汗をかかない。なぜだ?)

しかし四部の前半が澱んだのはどうしようもないな、寝落ちした。作品の責任でしょう。
でも、後半で合唱団の男女が客席に激しく走り込み、あちこちで黒子指揮者たちが出てきて
それぞれのテンポで偽のフーガというか、コントロールされたスクランブル交差点の
心象風景というか、内面の自由表現?になった時は ミッキーマウス一瞬腕が反応!!
オイタした。今もアウトロー捕まるかも・・・巣鴨プリズンだ。

でもこの作曲家、三拍子の歴史、五拍子を書く理由、調性と色彩の関係、始まりと終わり
が不明な旋律らしき動き、空白と間の違い、楽器が持つ音色背景への意識、奏者の運動生理
への共感とか、、、、音楽が社会の中、世代を超えて歩んできた意味(特に西欧でのと日本
でのそれの差異)とかに誠実に向かい合うことがなかったのではないかと疑う。
なんでも取り込んでやろう、なんでも見てやろう、あるもの全部使っての料理・・・・。

日本の宗教感の鷹揚さは世界平和に大いに役立ってほしい感覚だが、水に流すこと、
ごった煮にすること、並列にすることも、この作品のように度が過ぎて方向感覚がないと、
何かを信じて動かないことが正義だと思う多くの民族には恐怖を覚えさせないかと思う。

ユダの人々、への民族的な恐れと逆の意味の、ある種の恐れを。考えすぎか・・・
単に今まですれ違うこともなかったこの人への偏見か。

五時間近く座っても、椅子も良いのか、最終的には文句はないが、それぞれの部分で、
特に平和、主よ許したまえ、復活を待つ、等をラテン語で繰りかえし、恐ろしい原爆、地獄
とか繰りかえし、法華経のユニゾン、アジアの古い歌など「言葉」が繰り返し繰り返し、
入れば入る程、逆に何を言いたいのか不可解になる。
やはり交響的変容で終わって欲しくなかった。作曲というものは責任ある「交響的変革」
でないと。
合点がいったのは、前述ジャズ的ラテン的な第三部だけだった。少なくとも脳味噌が動く
人間は音楽を聴いたら、判りたいものなのだ。

全曲終わってからは演奏者への賞賛ばかりが残った。今回が真の初演だろう!

ジダーノフ批判を受けなかったらショスタコーヴィチは水野氏みたいになったのだろうか?
          (蛇足だ)
      百足に咬まれて発熱したばかりの妄想だゆるせ


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