京響 第633回定期演奏会

2019.04.12
京都コンサートホール 大ホール
午後 7時開演

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プロコフィエフ :
 組曲「キージェ中尉」 op.60
 ピアノ協奏曲第3番ハ長調 op.26/イリヤ・ラシュコフスキー[Pf]
 「ロメオとジュリエット」組曲から

♪開演前6:30PM~プレトークあり

京都市交響楽団

チケット: S ¥5,000 A ¥4,500 B ¥3,500 P ¥2,000(舞台後方席) 学生券・後半券:当日残席がある場合のみ発売
演奏会お問い合わせ先: 京響075-711-3110 京都コンサートホール075-711-3231

【道義より】

プロコフィエフだけのプログラムは初めてかもしれない...・昔イタリアでやった
記憶もあるが定かではない。この作曲家は、自由を求めて亡命して長かった。
(日本経由だったことは有名だが、音楽的にも彼の人生の中でもあまり影響は
なかったようだ)、しかし、やはり45歳ぐらいで望郷の念強まり、
体制におもねなければならないのを知りながらソヴィエットに帰っている。
人間よほど、の事件でもあっての事でない限り、育った場所には帰りたくなるようで、
僕も45歳の時ヤメときゃ良いのに蜃気楼のような「京都=古都」の京響の音楽監督
になった事を思い出す。
しかしそんな彼の音楽の魅力は、反骨精神一杯のリズムのアクセント、音程の多少
自然でない動きを敢えてしたためた旋律、ロシアの伝統的なバレエ音楽の響き等が
あらゆるところに感じられる身体表現性のある沸き立つ音の動きが素晴らしい。

しかしそれを共感をもって表現するのはなかなか簡単ではない。そういう部分を
愛して敢えて自分のものにしてしまわないことには、すぐ月並みな古典性へ回帰
してしまうのだ。
「キージェ中尉」は今まで、僕自身も共感できる演奏を聴いたことがなかったが、
今回、ステージマネージャーや楽員さんたちに無理を言って、オケの並びや人数を、
工夫してみた。文字通り居ないはずのキージェ中尉役のコルネット奏者西馬君は
「暗譜してくれ」と言われて「いや~~♯♭が多くって・・・・」と言っていたが
舞台と舞台裏で出て来ない主役(まるでアルルの女みたい)を儚く、威勢よく吹いて
くれた。
その他もコントラバスソロもサックスも舞台の真ん中にいてもらいとか・・エトセトラ
・・・・ユーモラスなおとぎ話の世界にお客さんが入りやすくしたつもりだ。

6年前浜松国際コンクールで素晴らしい3番のピアノコンチェルトで僕を圧倒した、
イリヤ・ラシュコフスキー!今回も非常に新鮮かつ繊細なプロコの世界を、
深い共感をもって弾いてくれた。このまま末広がりに小さくまとまらない人生を
送ってくれることを希望してやまない。日本語も少しできる。でもあまりアジアに
居ない方が良い。

ロメオとジュリエット
は、【朦朧目音受領頭】にならないよう老体に鞭打って頑張った。背中はさっと伸び
ないし何となく踏ん張りも弱い、特に10日前、A型インフルエンザをやり、
弱っているのに、欲張りにも声帯の特殊治療をやめなかったため、声なんか雀の潰れた
ような状態での練習入り。
練習以外はベッドの上にいるという事を人に悟られないようにするのも健気(毛無毛)
な、いのうえでした。
コンサートの後、京都芸大の下野君のお弟子さんが何人も聴きに来てなんか呆然と楽屋に
立ち尽くしていたのが印象的だった。彼らどうなるんだろう。

別件
次の日大フィルが前立腺がんを発表した朋友、尾高忠明とマーラー9番をやるので
聴きに行った。お客さんも沢山入って盛り上がっていたが、一番問題が多い1楽章、
弦のdivisiも多く鳴り難いオーケストレーション(推敲する前に作曲家は死んでしま
ったせいもあるが)にもう一歩時間と手間暇をかけるべきであると感じたものの、
多少ドライに響くフェスティバルホールに特に管楽器のソロたちが非常にいいセンスで
集中力をもって作品にぶつかっていた。尾高も医者に100%治ると言われた!と
当たり前のこと発露して自分を元気付けていた。
藤倉君の作品、またもや意味が解らない。子宮の中の音を書きたかったらしいが・・・。
それってこの間、ドンジョバンニの舞台コンセプトとして、森山開次が言っていたのと
酷似していて・・・・。何故って思う。子宮を描きたいっていう衝動・・・。
僕には欠落している。

ついでにもう一つ別件
大野和士さんと都響がグレリーダーを演奏するというので珠世に誘われて聴きに行った。
実演を聞くのは物凄く久しぶりなこの曲、藤村実穂子さんの超名演が音楽として
光り輝いていた。今まで何となく彼女の持つ暗めな律義さと真剣さに肌が合わなかった
俺だったが、今日の歌はそんな「スキキライ」をすべてをうっちゃる、素晴らしいもの
でした。何だか、そのせいか僕は身を乗り出したのか、休憩の後、
「演奏中身を乗り出されると、他のお客様の迷惑になりますので・・・・」
みたいなアナウンスを2階席の係の女性が多分僕をターゲットにやった。
これってオペラじゃないし、2時間半背中も腰も痛いジジイが正座するなんて、
拷問!!指揮している方がまだまし!と思いました。日本だねえ。
そのうち姿勢制御は4k8k監視カメラ付きになるな。早く死のうっと!

東京の春のグレン隊ノウエ



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